理論家の覚え方——名前の暗記ではなく「つながり」で覚える

学科試験の学習で、多くの受験生が苦しむのが理論家です。人名と用語の組み合わせを一対一で暗記しようとすると、覚える端から忘れていきますし、似た用語を取り違えます。試験の場で混乱しやすいのは、たいていこの「一対一の暗記」で覚えた知識です。
おすすめしたいのは、「つながり」で覚えることです。ばらばらの知識は忘れますが、つながった知識は、どこか一部を思い出せれば残りをたどれます。つながりのつくり方を3つ挙げます。
1つ目のつながりは、問いです。 それぞれの理論は、何かの問いに答えるために生まれています。人はどのように職業を選ぶのか。人は生涯を通じてどう発達していくのか。転機にある人には何が起きているのか。理論を覚えるときに「この人は何の問いに答えようとしたのか」を先に押さえると、用語はその答えの一部として記憶に残ります。名前と用語だけを切り離して覚えるより、思い出す手がかりが増えるのです。
2つ目のつながりは、理論同士の関係です。 理論は互いに影響し合い、先行する考え方への批判や補強として発展してきました。「この理論はどの考え方を受けて、何を付け加えたのか」という流れで整理すると、複数の理論家が一本の線の上に並びます。一人ひとりをばらばらに覚えるより、線ごと思い出せるようになります。
3つ目のつながりは、自分自身の経験です。 ご自身の職業人生や、身近な人のキャリアの節目を思い浮かべて、「あのときの自分は、この理論で言えばこういう状態だったのか」と引きつけて理解する。自分の経験と結びついた知識は、試験の場でも思い出しやすく、そして合格後の実務でも使える知識になります。
実際の進め方としては、ノートの1ページに理論家同士の関係を自分の手で書き出してみることをおすすめします。教科書に載っている整理をそのまま写すのではなく、「自分はこうつながっていると理解した」という形で描くのがこつです。手を動かして描いたつながりは、読んで覚えたものより長く残ります。描けないところが出てきたら、そこが理解のあいまいな場所ですから、教材に戻って確かめる。この往復が、そのまま学科の勉強になります。
理論の学習は、暗記の作業ではなく、先人たちの考えをたどる時間です。そう捉え直すだけでも、学科の勉強は少し楽しくなります。
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