論述は、書く前の「読み取り」で決まる

論述試験の対策というと「書き方」の練習を思い浮かべる方が多いのですが、答案の出来を左右するのは、実は書き始める前の数分間です。
論述試験では、クライエントとキャリアコンサルタントのやり取り(逐語記録や事例の記述)が示され、それについて設問に答えます。ここで急いで書き始めた答案は、たいてい「設問に答えていない答案」になります。もったいない失点の多くは、知識不足ではなく読み取り不足から生まれるのです。
書く前に確かめたいことは3つあります。
1つ目、設問は何を求めているか。 「あなたの考えを述べよ」なのか「クライエントがこう発言した意図を答えよ」なのか。問われていることの主語と中身を、設問の言葉どおりに確認します。自分が書きたいことではなく、問われたことを書く——単純なようで、時間に追われると最初に崩れる部分です。
2つ目、クライエントの言葉のどこに目を留めるか。 事例のなかには、クライエントの気持ちや状況がにじむ表現が必ずあります。「もう歳ですから」「家族には話していないんです」——こうした言葉に線を引き、そこから何が読み取れるかを短く書き出してから答案に向かうと、事例に根ざした答案になります。
3つ目、時間の配分です。 読み取りに時間をかけすぎれば書き切れません。全体の時間のうち、最初の2割前後を読み取りに充てる、と自分なりの目安を決めて、過去問で練習しておきましょう。
読み取りの精度は、添削を受けて「自分の読み落としの癖」を知ることで上がります。書いた答案は、できるだけ人の目を通すことをおすすめします。
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