注目第33回試験受験申請学科対策論述面接ロールプレイAIと雇用2026年(令和8年)7月10日 金曜日創刊号
世界のキャリア

スキルで語る時代のキャリア支援——OECDが位置づけた「ガイダンスの役割」

キャリア支援とAI📖 約2分で読めます2026年7月10日 公開(創刊号

「どこの学校を出たか」「どんな資格を持っているか」ではなく、「何ができるか」で人と仕事を結びつける——OECD(経済協力開発機構)は2026年6月18日、労働市場が学歴や資格からスキル重視へ移りつつあることを分析した報告書「A Skills-First Labour Market」を公表しました。

注目したいのは、この報告書がキャリアガイダンスを、移行を支える重要な要素として位置づけていることです。スキルを軸にした労働市場では、働く人が自分のスキルを言葉にでき、それを次の学びや仕事の選択につなげられることが前提になります。その手助けをするのがキャリアガイダンス——つまり、キャリアコンサルタントが日々行っている仕事です。

これは、日本の相談の現場に引きつけると、こういうことです。

クライエントの多くは、自分の経験を会社名と在籍年数で語ります。「営業を12年やってきました」。しかしスキルの言葉に置き換えると、その中身は人によってまったく違います。新しい取引先を開拓してきた人、既存のお客様との関係を深めてきた人、後輩の育成を担ってきた人。経験を「できること」の言葉に翻訳して一緒に棚卸しする作業は、キャリア面談の基本ですが、世界の政策文書がまさにその作業を、労働市場の転換を支えるものと述べているわけです。

この棚卸しの下ごしらえに、対話型のAIを使うこともできます。職務経験を書き出して「この経験から言えるスキルを挙げてほしい」と頼めば、たたき台が返ってきます。ただし、それはあくまでたたき台です。どの言葉がその方の実感に合うか、どのスキルがこれからの希望につながるか——それを確かめるのは、面談での対話です。

なお、スキル重視への移行は、資格が無意味になるという話ではありません。資格は「何ができるか」を外から確かめられるかたちにしたものであり、スキルを示す手立てのひとつとして残ります。変わるのは、資格の名前だけで人を判断する慣行のほうです。クライエントに資格取得を勧めるときも、「その資格で何ができるようになるのか」から一緒に考える——この順番が、スキル重視の時代の勧め方になります。

スキルで語る時代は、キャリア支援の仕事が細る時代ではなく、むしろ頼られる場面が増える時代だと読めます。自信を持ってよい流れです。

出典:OECD (2026) A Skills-First Labour Market(2026年6月18日)

◀ キャリアデザイン新聞トップへ戻る

キャリラボ——本紙の発行元が運営する、学びと練習の場所

キャリアコンサルタントをめざす方と有資格者のためのサイトです。学科・論述・面接の練習、講義動画、セミナーや相互のロープレ練習会まで。国家資格・技能検定2級/1級に対応。登録はメールアドレスだけ・1分で完了

✍️ 論述AI採点を1回無料で体験📚 学科AIで毎日10問の練習🧭 合格圏診断
キャリラボに無料登録する