支援者のセルフケア——聴き続ける仕事の疲れと付き合う

キャリアコンサルタントの仕事は、外から見れば「座って話を聴いているだけ」に見えるかもしれません。しかし、人の悩みに注意を向け続け、自分の内側に湧くものを脇に置き、言葉を選び続ける時間は、確かに消耗を伴います。しかもこの疲れは、身体の疲れと違って自覚しにくく、気づいたときにはずいぶん溜まっていることがあります。
支援職に就く私たちがまず認めたいのは、「疲れるのが当たり前だ」ということです。疲れを感じることは未熟さの証ではありません。むしろ、クライエントに真剣に向き合っている証と言ってもよいものです。この前提に立って、疲れとの付き合い方を考えてみます。
疲れの信号を知っておくこと。 面談の予定が近づくと気が重い。クライエントの話が頭から離れず眠りが浅い。以前なら気にならなかった一言に苛立つ。信号の出方は人それぞれですが、自分の場合はどこに出るかを知っておくと、早めに気づけます。信号に気づくことは弱さの表明ではなく、この仕事を長く続けるための技術の一つです。
面談と面談の間に、短い切り替えを挟むこと。 連続で面談が入る日は、間の数分で席を立つ、水を飲む、窓の外を見る——何でも構いません。前のクライエントの話を引きずったまま次の面談に入らないための、小さな区切りです。
ひとりで抱えない仕組みを持つこと。 重い相談を受けたあとの気持ちの置き場所として、スーパービジョンや、守秘を共有した仲間との振り返りの場を持っておくこと。これはセルフケアであると同時に、支援の質を保つ営みでもあります。支援者にも、安心して話せる相手が必要です。
そして、仕事の外の時間を守ること。 休みの日まで支援のことを考え続けない。眠る、身体を動かす、好きなことをする時間を、予定として先に確保する。自分の生活が満ちていることは、人の話を聴く力の源です。
クライエントの人生を支えようとする私たちが、自分自身の手入れを後回しにしてしまうのは、よくあることです。けれども、支援者が健やかであることは、クライエントに対する責任の一部でもあります。休むことに気が引ける方もいるかもしれませんが、休むこともまた、この仕事の一部です。今日の自分の疲れ具合を、少しだけ気にかけてみてください。
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