論述の時間配分——「読む・考える・書く」の割り振りを先に決める

論述試験の答案が完成しない原因は、書く力の不足よりも、時間配分を決めずに書き始めることにあります。読み込みに時間を使いすぎて最後の設問が白紙になる。逆に慌てて書き始めて、設問の求めとずれた答案になる。どちらも、配分を先に決めておけば防ぎやすい失敗です。当日その場で考えるのではなく、練習の段階で自分の配分を持っておくことが大切です。
論述の作業は、「読む・考える・書く」の3つに分けられます。
「読む」は、事例と設問の読み取りです。 ここを削ると、すべての設問の答えがずれます。遠回りに見えても、全体時間の2割前後を目安に確保したいところです。設問を先に読んでから事例を読むと、何に注意して読めばよいかが定まり、読み取りの無駄が減ります。
「考える」は、答案の骨組みづくりです。 いきなり文章を書き始めるのではなく、各設問に何を書くか、要点だけを短い言葉で書き出します。この骨組みがあると、書いている途中で書くべきことを見失わず、消して書き直す時間が減ります。丁寧に書いた1文を消す時間が、論述ではいちばんもったいない時間です。
「書く」に、残りの時間を充てます。 大切なのは、配点や設問数に応じて設問ごとの持ち時間をあらかじめ決めておくことです。1つの設問に予定以上の時間を使いそうになったら、途中でも次に進む。全設問に手をつけた答案と、途中まで完璧で最後が白紙の答案では、前者のほうが力を評価してもらえる余地があります。
できれば、最後に読み返しの時間もわずかに残したいところです。誤字の修正や、主語の抜けた文の手当てだけでも、答案の伝わり方は変わります。ただし、読み返しの時間を確保するために書く時間を無理に削るのは本末転倒ですから、これは「残せたら幸運」くらいの位置づけで構いません。
この割り振りに正解はなく、ご自身の書く速さによって最適は変わります。過去問を本番と同じ時間で解き、「どこで時間が足りなくなったか」を記録して配分を調整する——この往復を数回繰り返すと、自分の型ができてきます。試験時間などの詳細は、必ず公式サイトでご確認ください。
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