注目第33回試験受験申請学科対策論述面接ロールプレイAIと雇用2026年(令和8年)9月18日 金曜日|第6号
データと現場

辞めた理由の1位は「賃金が低かったから」25.5%、選んだ理由の1位は「仕事の内容・職種に満足がいくから」40.2%——厚労省が9月25日に公表した令和7年転職者実態調査を、面談の前提として読む

現場のキャリア支援📖 約3分で読めます2026年9月29日 公開(第7号)

厚生労働省は2026年9月25日、令和7(2025)年「転職者実態調査」の結果を公表しました。5人以上の常用労働者を雇用する事業所約17,000事業所と、そこで働く転職者約13,000人を対象に、2025年10月1日現在の状況を調べたもので、前回の調査は令和2(2020)年です。有効回答率は事業所調査52.7%(9,154事業所)、個人調査52.3%(7,310人)でした。

先に、この調査の「転職者」の範囲を押さえておきます。雇用期間の定めが無い、または1年以上の雇用期間を定めて雇用されるフルタイム労働者のうち、その事業所に雇われる前の1年間に他企業に雇用された経験があり、2024年10月1日から2025年9月30日の間に雇用された人です。つまり、転職を終えて今どこかで働いている人の調査であり、いま求職中の人や短時間労働者は含まれていません。

離職理由から見ます。直前の勤め先を離職した主な理由は「自己都合」が81.3%で最も多く、前回の76.6%から増えています。自己都合の中身(3つまでの複数回答)は、「賃金が低かったから」25.5%、「会社の将来に不安を感じたから」25.2%、「満足のいく仕事内容でなかったから」24.7%と、上位3つがほぼ並んでいます。男女別では、男性は「賃金が低かったから」29.6%、女性は「満足のいく仕事内容でなかったから」23.5%がそれぞれ最多でした。

転職活動の方法(複数回答)は、「求人サイト・求人情報専門誌・新聞・チラシ等」45.1%、「ハローワーク等の公的機関」29.6%、「縁故(知人、友人等)」22.2%の順です。前回はそれぞれ39.4%、34.3%、26.8%でしたので、求人サイト等が増え、公的機関と縁故が減っています。

現在の勤め先を選んだ理由(3つまでの複数回答)は、「仕事の内容・職種に満足がいくから」40.2%、「自分の技能・能力が活かせるから」38.4%、「労働条件(賃金以外)がよいから」23.1%。一番の理由を1つだけ挙げてもらうと、「自分の技能・能力が活かせるから」17.7%、「仕事の内容・職種に満足がいくから」16.5%の順になります。

転職後の満足度は、「満足・やや満足」の割合から「不満・やや不満」の割合を引いた満足度D.I.で示されています。職業生活全体で44.0ポイント。項目別では「通勤の便」58.0ポイント、「仕事内容・職種」57.8ポイントが高く、公表された表を見ると「賃金」は22.2ポイントにとどまります。今後の転職希望は、「今の職場で今後も働きたい」55.1%、「わからない」22.9%、「機会があれば転職したい」20.6%でした。

事業所側の数字も一部挙げておきます。転職者に教育訓練を実施した事業所は82.6%(うち計画的なOJT 79.8%、OFF-JT 64.5%)。今後3年間に転職者を採用する予定がある事業所は63.6%で、そのうち「転職者を優先して採用したい」40.0%、「新規学卒者を優先して採用したい」9.8%。転職者の賃金決定で考慮した要素は「これまでの経験・能力・知識」59.2%が最多で、「年齢」35.3%、「賃金の世間相場」34.2%が続きます。

ここから現場に持ち帰れることを、3つに整理します。1つ目は、辞めた理由と選んだ理由が同じ軸ではないことです。 辞めた理由の上位は賃金・将来不安・仕事内容が横並びですが、選んだ理由の上位は仕事内容と能力の発揮で、賃金以外の労働条件が3位です。転職の相談で「辞めたい理由」を聞き取っただけでは、「次に何を求めているか」の見当は必ずしもつきません。辞めたい理由と、次に求めるものを、別々に聞く価値があります。

2つ目は、転職後の面談の入口です。 転職を終えた人のうち「機会があれば転職したい」が約2割、「わからない」が約2割います。また、賃金の満足度D.I.は職業生活全体より低い水準です。賃金への評価と仕事内容への評価を分けて聞いておくと、その後の相談の土台になります。

3つ目は、数字の使い方です。 この調査は、転職を終えて働いている人を事業所経由で調べたものです。いま離職中の方や、転職を考えている在職者にそのまま当てはめることはできません。また、なぜ自己都合が増えたのか、なぜ公的機関の利用が減ったのかについて、調査は理由を語っていませんし、本紙も推測しません。面談で使うなら、「こういう調査結果がある」と示して本人の反応を見る材料として使うのが、数字に語らせすぎない使い方だと思います。

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