感情が動いた場面での関わり方——涙・怒り・沈黙

面談の途中でクライエントの目に涙がにじむ。声が強くなる。あるいは、言葉が途切れて長い沈黙が訪れる。感情が動いた場面は、キャリアコンサルタントにとって身構える瞬間かもしれません。けれど、感情が表に出たということは、その人が安心して心の深いところに触れられた証でもあります。慌てて収めようとするより、まずその場に留まりたいところです。
涙が出たとき、すぐにティッシュを差し出すのは優しさですが、同時に「泣きやんでほしい」というメッセージにもなり得ます。涙が流れているそのままを受け止め、「大事なところに触れられたんですね」と静かに言葉を添えるだけで、クライエントは泣いていていいのだと感じられます。感情に名前をつけて評価するのではなく、その場にあることを認める。それが感情への基本的な関わりだと思います。
怒りが向けられたときは、少し勇気がいります。けれど怒りの多くは、その裏に傷つきや、わかってほしいという願いを抱えています。反論したり、なだめたりする前に、「そう感じるだけのことがあったんですね」と、怒りの手前にある思いに耳を傾ける。怒りの矛先ではなく、怒りが守ろうとしているものを見ようとすると、関わりの糸口が見えてきます。
沈黙もまた、感情が動いている時間です。私たちが沈黙に耐えられずに言葉を足してしまうと、クライエントが自分の内側に向かおうとしていた歩みを止めてしまいます。沈黙を、埋めるべき空白ではなく、一緒に過ごす時間として受け止める。感情が動いた場面での関わりに共通するのは、収めようとせず、その人の感情をその人のものとして尊重する姿勢なのだと思います。
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