注目第33回試験受験申請学科対策論述面接ロールプレイAIと雇用2026年(令和8年)7月10日 金曜日創刊号
実務面

意思決定を急がせない——迷いに寄り添う関わり

現場のキャリア支援📖 約1分で読めます2026年7月10日 公開(創刊号

「どうしたらいいか、決められないんです」。面談でこう語るクライエントを前にすると、私たちはつい、決断を助けたくなります。長所と短所を整理し、選択肢を並べ、背中を押す。それが役に立つ場面もありますが、迷いの只中にいる人に必要なのは、決めることそのものより、迷っていられる時間かもしれません。

迷いには、まだ言葉になっていない何かが含まれていることがあります。二つの道の間で揺れているように見えて、実はそのどちらも本当に望んでいるものではない、ということもあります。急いで決めさせると、その未成熟な問いを飛び越えてしまい、後になって「あのとき決めたけれど」という後悔につながりかねません。

寄り添う関わりで手がかりになるのは、迷いを減点として扱わないことです。「まだ決められないんですね」ではなく、「それだけ大事なことだから、簡単には決められないんですね」。迷いを、その人が物事を大切に考えている証として受け止め直す。この受け止めがあると、クライエントは焦りから少し解放されて、自分の気持ちをもう一段ゆっくり見つめられるようになります。

もちろん、現実には期限のある決断もあります。そのときも、私たちが決めるのではなく、「いつまでに、どんな状態になっていたら決められそうか」を一緒に見立てる。決断を早めるのではなく、決断に向かうその人自身の歩みを支える。迷いに寄り添うとは、答えを差し出さずに、その人が自分の答えにたどり着くまで隣にいることだと感じます。

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