注目第33回試験受験申請学科対策論述面接ロールプレイAIと雇用2026年(令和8年)7月10日 金曜日創刊号
キャリコンの実務とAI

AIへの頼み方の基本——「誰のために・何を・どこまで」を先に伝える

キャリア支援とAI📖 約2分で読めます2026年7月10日 公開(創刊号

対話型のAIを使ってみたけれど、返ってくるのは一般論ばかりで役に立たなかった——そんな感想をよく聞きます。多くの場合、原因はAIの能力ではなく、頼み方にあります。

考えてみれば当然のことで、「転職について教えて」と頼めば、誰にでも当てはまる話しか返ってきません。私たちが面談で「主訴を確かめてから応じる」のと同じように、AIにも、何を求めているのかを先に伝える必要があります。伝えることは3つです。

誰のために。 その答えを誰が読むのか、誰のための作業なのかを伝えます。「キャリア相談に来た40代の方に渡す説明資料」「人事部門の会議で配る要約」——読み手が決まると、言葉の選び方や詳しさの水準が変わります。キャリアコンサルタント向けの下調べなら「専門家である自分が読む」と伝えれば、基礎の説明を飛ばした答えになります。

何を。 してほしい作業を具体的に言います。「要点を5つにまとめてほしい」「考えられる選択肢を幅広く挙げてほしい」「この下書きの分かりにくい箇所を指摘してほしい」。作業の動詞をはっきりさせるほど、答えは的を射たものになります。

どこまで。 分量、形式、そして「してほしくないこと」を伝えます。「800字以内で」「箇条書きで」「断定的な言い方はしない」「専門用語を使わない」。してほしくないことを先に言っておくのは、あとから直させるより早道です。

3つをつなげると、頼み方はこうなります。「キャリア相談に来た40代の方に渡す説明資料を作りたい。職業訓練の制度について、種類と大まかな流れを、専門用語を使わずに800字以内でまとめてほしい。断定的な言い方は避けてほしい」。最初の「転職について教えて」と比べれば、返ってくるものの違いは想像がつくと思います。

もうひとつ大切なのは、一度で完璧を求めないことです。返ってきたものに「ここをもっと詳しく」「この部分は不要」と注文をつけて、二度三度と往復する。この往復まで含めてひとつの頼み方です。

なお、どんな頼み方をするときも、クライエントの個人情報は入れない——この原則だけは変わりません。頼み方が上手になるほど扱う場面は増えますから、原則のほうも一緒に太くしておきたいところです。

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