キャリコンの実務とAI
AIを使うことをクライエントにどう伝えるか——透明性の作法

支援の過程でAIを使うようになると、遠からず向き合う問いがあります。「そのことを、クライエントにどう伝えるか」です。
黙って使うという選択肢もあるように見えます。けれども、クライエントが後から知ったとき、「自分の話がAIに渡っていたのか」と感じてしまえば、築いてきた信頼は揺らぎます。だからこそ、使うなら伝える。この透明性が、これからの支援の作法になっていくと考えられます。
伝え方の要点を、三つ挙げます。
一つ、何のために使うかを具体的に言う。 「記録を整えるのに使います」「情報を調べる下ごしらえに使います」——用途がはっきりしていれば、クライエントは安心して判断できます。ぼんやりと「AIを活用しています」とだけ言うと、かえって不安を招きます。
二つ、個人情報の扱いを説明する。 「お名前や勤務先が分かる情報は入れません」と伝えるだけで、多くの不安はやわらぎます。守秘への配慮を、言葉にして示すことが大切です。
三つ、断る余地を残す。 「AIを使わない進め方もできます」と添えれば、クライエントは選べます。選べるという前提そのものが、信頼の土台になります。
透明性は、手間のように見えて、実は関係を守る土台です。便利な道具を使うほど、その使い方を隠さない姿勢が、専門家としての信頼につながっていきます。
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