キャリコンの実務とAI
AIで自己分析の下ごしらえ——問いを立てる手伝いとして

キャリアの相談で最初につまずくのが、自己分析です。「自分の強みが分からない」「何がしたいのか言葉にできない」——このもやもやを前に、手が止まってしまう方は少なくありません。
こうしたときに、対話型のAIを「問いを増やす道具」として使う方法があります。答えを出させるのではなく、自分に向ける質問を用意してもらう使い方です。
たとえば「これまでの仕事で、時間を忘れて取り組めた場面を思い出すための質問を5つください」と頼むと、切り口の違う問いがいくつか返ってきます。返ってきた問いのうち、手が止まったもの、答えを書きたくなったもの——その反応そのものが手がかりになります。AIの回答を写し取るのではなく、問いに自分で答えていく作業が自己分析です。
キャリアコンサルタントの側から見れば、これは面談前の下ごしらえとして案内できるものです。クライエントが白紙の状態で来談するより、いくつかの問いに触れてから来たほうが、面談での対話は深いところから始められます。ただし注意したいのは、AIが出した問いが的外れなこともあるという点です。すべての問いに答える必要はなく、ぴんとこないものは飛ばしてよい、と最初に伝えておくと、クライエントが振り回されずに済みます。
自己分析は、答えの正しさを競うものではありません。問いの前でどう感じたかを、自分の言葉で受け止めていく——AIはその入り口までを手伝える道具です。踏み込んで整理していく先は、やはり人との対話の場です。
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